着つけ師が帯をダメにする!?

去年は某振袖専門店の不祥事で成人式は大騒ぎでした。
今年の成人式は無事に終わって何よりです。(#^^#)

着つけ師としてこのイベントに関わることができて、何とも楽しい一年の幕開けです。

今年は、というか、今年、ですが・・・。
大人数を立て続けに着つけすると、親指の付け根のところが痛くてしょうがないという症状に、ここ数年悩まされております。

今年の成人式も、2日続きで着付けをしましたが、最後のころには帯にヒダを折る作業がつらくてしょうがない・・・。
そんな折に、新品の着物のお嬢さんが私の担当になっちゃっいました!

その着物はすごくシンプルな柄で、「これは絶対、人とカブることはない!!」と思って、これに決めたのだと、ご本人もおっしゃっていました。
ステキな着物でしたが、お着せしながら聞いてみると、レンタルではなく、買ってもらったのだとのこと。
「妹もいるから、何回も着れると思って♪」

ある着つけ師さんとの会話より

ところで、
ご自分の着物で、しかも新品の帯の時には、私はある人の言葉が脳裏にチラつくのです。
呉服屋さんで出会った、着つけ師さんです。

彼女は呉服屋さんの仕事しかしない人のようでしたが、こんなことを言っておられました。
「せっかくの新しい帯を、この頃の着つけ師はすぐダメにしてしまう。」

細かいひだをいっぱい折ってしまって、見事な織の帯が、たった一度で折りじわだらけになってしまった。
せっかく良い帯だったのに、買われたお客さんが残念がっておられたことがあるとのこと。

「メチャクチャに帯を折りたたんで、せっかくの豪華な帯が台無し。ふくら雀で十分見事なのに。」

そうは言ってもこの頃は、複雑な結び方で、ひだをいっぱい折ってあげないと、喜んでもらえないんですよね・・・。
羽をいっぱい作って、ヒダをいっぱい作ってあげたら「あ、かわいい!!」って、お嬢さんたちには喜んでもらえるんです。
だから、着つけ師もつい、そういう風になっちゃうんですよね~。(^^♪

今、目の前のお客さんにどう対応するべきか?

さて、
私の目の前にいらっしゃるそのお嬢さんのは、ほとんど模様のない、シンプルな柄の着物に、豪華な刺繍がたくさんある帯。
しかも新品!

あの時の着つけ師さんの声が浮かんできて・・・。
迷わず、シンプルな帯結びをしました。

「せっかくの新しい帯だから、傷まないように細かく折らず、シンプルな結び方にしましょうね。
この結び方は、昔からの格調高い結び方をちょとだけアレンジした結び方なんですよ。
あなたの着物にはぴったりだと思うんです。」

グラデーションがあるだけの、ほぼ無地の振袖。それに、豪華な織の帯。基本の立て矢にちょっとだけアレンジした帯結び。(*^^)v
分かる方は、↑コレだけで、イメージしてみてくださいな。(笑)
私が個人で受けているお客さんじゃないから、写真が撮れなかったのが残念です。

そのお嬢さんは最後の辺りだったので、私も、もう握力が限界に近づいてきていましたし・・・。
あまりひだを折らずに結んだので、ちょっとだけ、指先に余裕ができた一時でした。(^^♪
そのうえで、ご本人も喜んでくださったので、よかったです。(#^^#)

いろんな思いを抱きながら、今年も成人式が終わりました。
どのお嬢さんも、これまで育ててくれた親御さんや、お世話になった人々の温かいキモチを忘れずに、立派な大人になっていただきたいな。
どうぞ、素晴らしい大人への門出でありましたように。(祈)

もう成人式から10日もたっちゃいましたけど。(笑)

追伸
成人式直後には、指がむくんでグーができませんでした。
ようやく親指の痛みも取れてきたところです。(*^^)v