「小学校の時には、こう習った!」
と、だいたいの人が言う。
昨日の大人の教室で、筆順の間違いに気づいて指摘すると、
「小学校ではこう習った気がする。」
てんで筆順に無頓着な1名を除き、その他全員がそうおっしゃった。(笑)
でもね、私は、正しく習ったのを、今でも覚えています。
その上、学年があがるにつれてだんだん間違いが多くなるから、途中で何度か訂正が入ったのも覚えている。
「この字は、こういう風に間違えて覚えている人が多いけど、本当はこうなんですよ。」
そう習った。
なぜだろう??
私の記憶力が特別良いなんていうわけじゃないと思う。
たまたま、私には興味のある事柄だったから、注意深く聞けたし、覚えられただけのことなんだろうな?
と、思っている。
しかしまあ、筆順なんて、別段大したことではない。字さえ間違えていなければ、書く順序を見られることも少ないし、社会に出てからそれが重大なことに発展することも、まずない。(笑)
その上、困ったことに、文科省で決められている筆順だけが正しいわけでもない。長い歴史の中でいろんな書き方をされてきた漢字だから、「こっちから書いても良いし、こう書いても良い。」と、されている字もあるくらいだ。
つまり、「絶対こうじゃなきゃダメ!!」なんていうわけではないわけ。(笑)
ではなぜ筆順なんていうものが、そもそもあるのか?
それはね、キレイに見える字を書きたいと思ったら、正しい筆順で書いたほうが美しく見えますよ?
っていうことなのです。昔の人はえらいな~と思うのは、そういう時だ。
さて。昨日話題になったのは、よく筆順を間違えて覚えている字の筆頭に出てくる「長」。
写真を見たらわかるようにヨコから書くか、タテから書くかというだけの違い。
赤丸で囲んだように、筆順の違いでタテ線とヨコ線のぶつかり方が違ってくる。
このぶつかり方、楷書で書いたら大して問題にはならない。けれど、行書で続けて書こうと思ったら、筆順の違いで大きく変わってしまうことがお分かりだと思う。
繰り返すけど、どちらから書いても、字そのものはほぼ一緒だし、正しい字だと言っていい。
さらに、活字になれば、このぶつかり方の違いは表示されないことも多い。明朝体は、すべて一律のぶつかり方で表示されている。
ゴシック体にいたっては、図形のように表示されて、どちらかがわずかに突き出ているという状態そのものがないし。(笑)
だけど、美しい字を書きたいと思っている人には、この違いをぜひとも知ってほしいわけだ。
そのわずかなでっぱりこそが、字をキレイに見せる重要項目の一つだから。
と、いうわけで、私のところに来てくださっているみなさんには、筆順をお伝えしているのです。(笑)
「え――、知らなかった!!ホントだ――。ちょっと違って見える――!!」
という、目からウロコの状態になってもらえた時、・・・私はちょっと嬉しいデス。(笑)