置いてきぼりのKくん

拝啓
本物のKくん。
お元気ですか?
あなたが北国へ引っ越してから、約1年が経ちますね?
今年の冬は異常なほどにたくさん雪が降ったので、さぞかし大変だったでしょう?

呉の町でよく見かける、あなたによく似たパパ。彼を勝手に「呉のKくん」と名付けてから、半年以上が経ちました。

この頃、呉のKくんは、寂しそうです。置いてきぼりなのです。
いつも、小学生の女の子と手をつないで、楽しそうにおしゃべりしながら登校に付き添っていた彼。
出勤と子供の登校が重なって、よいコミュニケーションをとれている、楽しいひと時のように見えていました。

なのに!

この頃は、いつも一人で歩いています。
女の子は、10メートルばかり、前を歩いて行くのです。

・・・ええ、今は、お友達と一緒です。(笑)

呉のKくんは、少し離れて後ろをついて歩きます。

考えてみれば、こっちのほうが自然です。
小学生の女の子なのに、今までパパと手をつないで歩いていたのが不思議でした。
もしかしたら、何かの事情で、学校へ行くのがつらかったのかもしれません。だから、パパが一緒に歩いていたのかもしれませんね。
でもニコニコ笑いながら、おしゃべりしながら歩いている親子の姿。それは車の中からチラッと見かけるだけの私でさえ、ほっこり温かくなるような光景でした。

今は、後ろから見守りながらついて歩くパパ。
きっと、女の子の成長が嬉しくもあり、ちょっと寂しくもあり、・・・って、ところでしょうか?

・・・なんて、大きなお世話ですよね!?(苦笑)
どこの誰かも知らない人なのに、まさかこんな風にウォッチされてるなんて、知ったらきっとびっくりですよね?(笑)

ただ、彼を見ると、本物のKくん、あなたをつい思い浮かべてしまうのです。(笑)

私もあなたと同じように小学生と幼児を抱えていた時に、雪のたくさん降る地域に住みました。
自宅アパートから、遠くにスキー場が見えるところでした。丁度私たちがあそこにいた時も、何年振りとかいう、大雪の冬でした。
生まれて初めて、雪かきスコップを使いました。

雪のよく降る地方では、道路や駐車場に雪を解かすための水がピューーッと出てくる設備がしてあるのも、あの時初めて知りました。
雪が降ったら夜の間に除雪車が来て、道路の雪をのけてくれることも知りました。
でも、道路の雪はのけてくれても、駐車場の雪は自分でのけなくてはいけません。我が家の駐車場はアパートの一番奥で、道路まで何メートルあったでしょうか?20メートルくらいあったかな?とにかく、その雪をのけないと、車が出せませんでした。
同じアパートのママ友と一緒に、夜中に雪かきしたことは、懐かしい思い出です。
20代の頃に買った超ド派手なスキーウエアを、まさかの日常生活で使い、笑いをとったのも思い出の一つです。(笑)

今はあなたも、雪かきをしているのだろうな~と、雪のニュースを見る度に思いました。

若い時にいろんな土地の暮らしを知り、いろんな体験ができたのは、私にとっては大きな収穫でした。あなたも、未知の出来事に遭遇しては、びっくりと笑いの繰り返しでしょうね?
どうぞお元気で、ますます楽しい毎日でありますように。

今朝もあなたによく似た、呉のKくんを見かけたので、語りかけてみたくなりました。(^^♪