こ、これは運命か!?

2017.05.10

もう10日以上過ぎちゃったけど、錦帯橋祭りの時の写真です。これは、仲間たちが着付けしもの。

私達の着付けメンバーは毎年この日に、大正ロマンの着付けをする。芸者さんや町娘の着付けを昔の着物でやるという、何だかとってもワクワクする行事なのです。ただ、古い着物なので今のとは違って・・・。
帯は重いし、分厚いし。
自分の着物で自宅で芸者の着付けを練習するのはさほどでもないのです。だけれど、ホンモノでやったら、着せるのはすごくタイヘンだったりするわけです。

しかも、アレルギーのある私には、昔の着物を扱うだけでくしゃみ鼻水が止まらなくなる。なのでマスクが必需品だし。
毎年、みんなに笑われます。うっかり忘れてそのまま作業していたら、すごいことになっちゃうので・・・。(笑)

さて、そのお祭の着付け。今回私はメンバーから外されました。
いやいや、仲間外れにされたわけではないですよ。ただ単に、別の仕事があったので、そっちへ行ったのです。(笑)
最近忙しくて練習もままならなかったので。
年に一度のこれをやる前にはやっぱり練習しなきゃ怖いしね?
だから、「あなたは結婚式へ行ってちょうだいね~。」と言われて、ありがたく練習からも逃れられました。(笑)

なのに!!

向かった結婚式場では、・・・久々に本仕立ての留袖がご登場!!(笑)比翼仕立てになっていない留袖です。

分からない人のために軽く説明すると、留袖っていう結婚式で新郎新婦の母たちが着るあの黒い着物。5つ紋付で、下の方に豪華な模様のある、あれです。本来、昔は下に白い無地の着物を着て、その上に黒い着物を重ねて着ていたわけですよ。ところがそれじゃああんまり重いし、厚いし、タイヘンだっていうので現れたのが、比翼仕立て。襟元や裾、袖のあたりだけ2枚着てるように見せかけて、あとのところは1枚の着物になっているっていう、つまりナンチャッテ2枚重ねなつくりなのです。

今ではほとんどの留袖が、比翼仕立てです。
着付け教室でさえ、比翼仕立ての着物の着方しか教えてはくれません。
でも現場で着付けをしていると、やっぱりたまには昔ながらの着物を持って来られる方もいらっしゃいます。割合的にはどのくらいかな。ご自分の留袖をお持ちの方の10人に一人くらいかな~?もうちょっと少ないかな?・・・それがその日のお客さん。

しかも!!

帯は丸帯!!昔さながらの分厚くて重量感たっぷりのヤツ!!リアルに大正ロマンで使うような帯で、それがすごくイイモノだって私にでもわかるくらい、厚みのある刺繍。
留袖着せるのに、久々に大汗かきました。下の白い着物が裾からはみ出さないように。
その上帯は、メチャクチャ豪華。・・・折れない!結べない!留まらない!!
振袖なみに時間かかったかも。

終わってから一緒にいた仲間の着付け師が言った。
「なんか、偶然入れ替わった感じだったよね~。武内さんがそっち行ってくれてよかった~。♪♪」
なんて、のんきな感想述べてくれるし。

やっぱ、錦帯橋祭りの日には、私はこの手の着物を扱うことになっちゃってるのかな~??

・・・お着せできて、よかったデス。