えっと、・・目的?なんだったっけ?

「勘違いしんさんなよ?間違えとるわけじゃないんよ?これが書き取りのテストじゃったら、丸がつくんよ?上手に書けとるんよ?
ただね、もっときれいに見える字を書くのはどうやったらええんかを教えるのが、先生の仕事なんよ。
みんなは、お金を払って、キレイな字の書き方を習うために、ここへ来よるんよ?
ちゃんと書けとるんよ。でも、もっときれいにするにはどうするかを、今、習いよるんじゃけえね?」

分かり切ったことなんだけど、ここは習字教室だ。
それを、時々言わないと、いつの間にか目的を見失ってしまう。(^^♪

書いている子どもに話しかけると、うんうんと頷きながら書き進める子供たち。
手本を見て書いて、手本のとおりに書いているつもりでも、どこかが違うからキレイに見えない。どこがどう違うのか、それを教えるのが私の役目だ。
細かいことを言ってしまうのでうるさがられるかな~と思いきや、案外そうでもなさそうで、
「ほら!こっちのほうがキレイに見えるじゃろ?」
「ホントじゃ――!こうやったら良かったんかぁ。」
と喜んでくれる。

行くのが面倒くさいなと、思う時もあるかもしれないけれど、雨が降ってもちゃんと来てくれるから嬉しいよ。

昨日は硬筆の日だった。
いつの間にやら鉛筆の持ち方が悪くなってしまった子がいたので、持ち替えさせた。
この子は、お父さんの方針で、左利きを右に矯正中。
私個人は左利きならそのままで教えるのがこれまでのスタイルだった。お母さんも、そう思っておられたようなのだが、お父さんが強く望まれて、本人もお父さんの言葉でやる気になっている。
「だったらパパの言う通りがいいよね?」
「うん!頑張る!」
ってことで、頑張っているのがほほえましい。

「こうやって持って、何か書いてごらん。」
と言ったらその子が書いたのが、↑あれ。↑ ↑ 最初の写真です。
鉛筆の持ち方覚えるためなら、別に何を書いたっていいから。(笑)
好きに書かせたら、好きなことをかく。
それが子供の面白いところで・・・。

この子たちと一緒に過ごせる時間はそう長くない。10年も来る子はいないだろう。
今のやり取りを大切に、この子たちがちょっとでもよくなるように、私にできるだけのことをしたい。
私にできることなんて、たかが知れてはいるけれど、それでもせっかくご縁のあった子供たちだから、できる限りのことを。・・・と、思っている。(笑)