見てくださいよ、この矢車草。
このお花は前からここにあったのです。
でも、
私はその存在に気づいていませんでした。
いつも通る道ですよ。
あ、いや、
公園なのに「道」と言ってしまうのもアレですが。(^^♪
私にとっては通り道です。(^^♪
家から歩いてどこかへ行くとき、
正規の舗装された道路を歩くより、
私は公園を通り抜けることのほうが多いですから。
つまりいつもの通り道であり、
孫と一緒に遊ぶ場所でもあります。
そこに咲いていたこの花は、
決して、突然伸びてきて、
突然咲いたわけではありません。
なのにいつもそこを通りながら、
私は気づきませんでした。
ひょっこり存在感を出したのは、
先日、
草取り作業があった時からです。
それまでここには
たくさんの草が生えていました。
だから見えなかったのです。
草に埋もれたその花は、
周りの草を抜き取られて初めて
目に留まりました。
すぐそばの家の庭には、
植えられている矢車草。
きっとこぼれ種が公園に落ちて
生えてきたんでしょうね。
誰にも気づかれずに
草の中に生えていたけれど、
周りの草を抜いて行ったら、
その中からふと現れた園芸品種。
勝手に生えた草だと分かっていても、
抜いてしまうのは忍びない。
だからこんな風に、
すっくと1本だけ、
立っているのでしょう。(#^^#)
ある仏師のことば
これを見て思い出しました。
どなたのお言葉だったかは忘れましたが、
仏像を彫る人の言葉でした。
「仏さまは既にここにいらっしゃる。」
一切れの材木の中に、
仏さまは既にいらっしゃる。
その姿はそのままに、
周りの余分なところを切り落とすだけなのだと。
仏さまは、
彫って作るのではなく、
既にある仏さまを、
そこから取り出す作業が、
仏師の仕事だと。
今から良いものが現れるのではなく、
既にあるけど目に見えていなかったものを
見えるように彫りだすだけ。
実に謙虚な言葉だけど、
なかなか難しいですよね～。
善悪こもごも混じり合った中で、
大切なものを見出す力。
そして、それを彫りだす力。
その両方を持ち合わせた人でありたいものです。
地域の皆さんとの草取りの後、
大事なことを思い出させていただいた気がします。
どんなものに囲まれていても、
大切なものを見つけだす力を
もっと磨きたい……。
