このおばちゃんたち、ここにちゃんと説明してあるのに、なんで分からないんだろう?読んでないのかな?
「ここに書いてありますよ~。」
「あれ?ホントだ!ちゃんと読んだはずなのに、おかしいね~。」
おかしいねじゃないよ!!ちゃんと読めよ!!
なんてことが何度も続き、しまいには腹が立ってくる。
この人、バカなのかな?
でも、聞いてみたらそこそこの学校を出ていらっしゃる。
そうでもなさそうだ。でも、この仕事のできなさはいったいどこから来るんだ!?
と、いうことがありました。
昔々、まだ私が20代の頃。
そう、私にだって20代のころがあったのよ~!!(笑)
ある大手企業で派遣社員で働いていた時のこと。
私は比較的長期にわたって仕事していた。そこにごく短期で入ってきたパートタイムの派遣主婦たち。
彼女たちが使えない。
社員から仕事を渡され、私がそのおばちゃんたちに指示を出す立場だった。
いくら説明しても、呑み込みが悪い。
ちゃんと書いてあるんだから読んでやれよ。私だって、こんなに親切に教えてもらったわけじゃない。資料を読んだだけでやってるのに、ここまで説明してもなぜアンタたちは呑み込めない!?
と、イライラすることこの上なかった。
だが。
・・・時は巡って今の話。
この年になって何かをしようとすると、今の私がやっていることは、あの頃のおばちゃんたちと全く変わらない。
昨日、そのことに気づいて、愕然とした。
理解できない
指示が出た。
「つまり、私はこれをやったらいいんですね~」
と返事をすると、
「はい。それと、これと、これもお願いしますよ。」って返事が帰って来る。
え?どれどれ?あ、ほんとだ。ちゃんと読んだはずなのに、おかしいな~。
きっとあちらさんは思ったに違いない。
「おい、ちゃんと読めよ!!」って。
で、よしわかった。私はこれをやればいいんだ。でもこの流れ、なんかイミ分からない作業のような気がするんだけどな~。
なんて思いながらも、とりあえずは自分の役割を果たさなくては。と、作業する。
よし、できた!
と、思って提出しようとしたところで、他の人の書き込みに気づいた。
「資料のこれとこれを見てくださいね。こういう風にやるんですよ」
・・・。
ごめん。私、全然見当はずれの解釈してた!!
で、もう一度質問してみる。
「結局私がやるのは、こうじゃなくて、こうだったんですよね?」
間違えているような気がして、何度も何度も読み返してみた。
こりゃ、ずいぶん間抜けな質問だな?
ちゃんと最初から説明してあるじゃん!!
みんなはちゃんとわかってて、やり取りしてるじゃん。・・・。
帰宅してきた娘に話すと、
「年とるって、いやだね~。」(苦笑)
でも、私はなんだか妙に嬉しい。
心がポカポカしてくるのだ。
なぜだろう??
あの頃、腹が立って仕方なかったおばちゃんたちの気持ちが30年近くたってやっとわかったからかな。
こっちがイライラしているのも丸わかりで、申し訳なさそうに「ごめんね~。」って、いつも笑っていた。
ただ、理解できるまで時間はかかるけど、わかったら確実にやってくれるのはいいところ。
だから、決して嫌いなわけではなかったのだが、呑み込みの悪さにげんなりだっただけなのだ。
その、わけのわからなかった症状に自分自身が陥ってみて、やっとわかった。
あのおばちゃんたちも、こんなにつらい思いをしていたんだな~。って。
未経験の事は、実体験することでしか実感できない。
こうなんだろうなと思っても、それは単なる想像でしかない。
経験を積み重ねるって、なかなかいいじゃん。
よい経験も、困った経験も、それを通して確実に人間的には進歩できている。
周りに迷惑かけることもあるけれど、助けてくれる人もいる。
自分は自分のできることを一所懸命やるしかない。
間違っていたら直せばいい。
笑うしかない。
結局。
やっとわかったぞと、やり直した。
だけど、もしかしたら、やっぱりとんだ見当違いの作業をやらかしているのかもしれない。
こわいな~。
だから付け足してみた。
「もし的外れなことやっていたら、大笑いした後でいいから、教えてくださいね。」
間違ってなきゃいいけど。(^^♪